2026.1.9
巻き爪になるきっかけになっているかも!?「間違った靴選びと履き方」
編集中
「爪の両端が肉に食い込んで痛い」「歩くたびにズキズキする」……。 巻き爪に悩む方は非常に多く、セルフケアではなかなか改善しないことも珍しくありません。実は、巻き爪の原因は「深爪」などの切り方だけではなく、毎日履いている「靴」に隠されていることがほとんどです。
「自分の足に合っている」と思い込んでいる靴が、実は爪をじわじわと追い詰めているかもしれません。今回は、巻き爪を引き起こす靴の「サイズ」「履き方」「紐の結び方」の3つのポイントについて、解剖学的な視点も交えて詳しく解説します。
1. サイズの「きつすぎ」も「ゆるすぎ」もNGな理由
靴選びにおいて、多くの方が「きつい靴が悪い」ということは理解されています。しかし、実は「大きすぎる靴」も同じくらい、あるいはそれ以上に巻き爪のリスクを高めることはあまり知られていません。
● 小さすぎる靴・先が細い靴(直接的な圧迫)
パンプスやハイヒール、あるいは先端に芯が入っている安全靴などは、物理的に指先を左右から押し潰します。爪は本来、平らに伸びようとする性質がありますが、横からの強い圧力が加わり続けると、逃げ場を失って内側へと丸まっていくしかありません。特に、親指の外側から強い圧力がかかると、爪の片側だけが急激に巻き込む「片巻き」の状態になりやすく、痛みも強くなる傾向があります。
● 大きすぎる靴(間接的な衝撃:靴内衝突)
「足が痛いから」と、あえて大きめのサイズ(幅広や大きめのセンチ数)を選んでいませんか? 実はこれが大きな落とし穴です。 靴の中に余分な隙間があると、歩くたびに足が靴の中で前方に滑り込みます。これを「靴内衝突」と呼びます。一歩踏み出すたびに、爪の先端が靴の壁にゴンゴンと突き当たることになり、その微細な衝撃の繰り返しが爪の変形を招きます。また、足が動かないように無意識に指先に力を入れて踏ん張るため、爪に不自然な負荷がかかり続けるのです。
2. 「履き方」の致命的なミス:かかとを軽視していませんか?
靴の性能を100%引き出すには、履き方の手順が何よりも重要です。多くの方が、立ったままつま先を地面に「トントン」として靴を履きますが、これは巻き爪予備軍の典型的な行動です。
● 「つま先トントン」が爪を殺す
つま先を基準に履いてしまうと、かかと側に隙間ができ、靴の中で足が遊んでしまいます。これでは、どんなに高級な靴を履いても、足と靴が一体化しません。結果として、歩くたびに指先が靴の先端にぶつかり、爪の根元にある「爪母(そうぼ)」という爪を作る組織がダメージを受け、厚く濁った爪や、巻きの強い爪が生えてくる原因になります。
● 理想は「かかとトントン」
靴を履く際は、必ず腰を下ろし、「かかと」を靴の後ろ側にピッタリと密着させてください。 足の骨格の要(かなめ)は「かかと」にあります。かかとを固定することで、初めて足の指がリラックスでき、靴の「捨て寸(つま先の余裕)」が正しく機能します。この1cm〜1.5cm程度の余裕が、爪を圧迫から守る唯一のシェルターになるのです。
3. 「紐の結び方」が爪の形を左右するメカニズム
靴紐は、単に「脱げないようにするもの」ではありません。靴紐の真の役割は、**「足の甲を固定し、指先を自由にすること」**にあります。
● 紐がゆるいと、爪は「巻き」始める
紐をゆるく結んだままだと、足が靴の中で不安定になります。すると、人間は本能的に足の指をギュッと曲げて、靴を掴もうとします。これを「ハンマートゥ(槌指)」と呼びます。 指が曲がった状態で歩くと、地面からの圧力が爪に対して正しく伝わりません。実は爪には「下からの圧力が適度にかかっていないと、自然に丸まっていく」という性質があります(寝たきりの方の爪が巻いていくのはこのためです)。指が浮いたり曲がったりすることは、爪が丸まろうとする力を助長してしまうのです。
4. スリッポンやパンプスに潜む「浮き指」のリスク
紐やベルトがない「スリッポン」や「ローファー」、そして「パンプス」は、構造的に巻き爪を引き起こしやすい靴と言えます。
● 構造的な弱点
これらの靴は、足を固定するポイントが「つま先の幅」と「かかとの食いつき」しかありません。そのため、靴が脱げないようにと、無意識に足の指を上げて歩く「浮き指」という状態になりがちです。 浮き指になると、地面を蹴り出す際に指の腹を正しく使えません。爪に対して地面からの垂直な圧力がかからないため、爪は自身の巻こうとする力に負けて、どんどん内側へと食い込んでいきます。
● どうしても履かなければならない時は
仕事の都合でパンプスやスリッポンを履く場合は、インソール(中敷き)を活用して「足のアーチ」をサポートすることが有効です。土踏まずをしっかり支えることで、足が前滑りするのを防ぎ、指先への負担を劇的に軽減できます。
巻き爪予防は「足の環境」を整えることから
巻き爪の痛みは、爪だけの問題ではありません。それは、あなたの足が「今の靴環境に耐えられない」と出しているサインです。
- 実寸より1cm〜1.5cm大きいサイズを確保する
- 「かかと」を合わせて履く習慣をつける
- 靴紐は毎回、甲を包み込むようにしっかり結ぶ
この3点を意識するだけで、爪にかかる負担は驚くほど変わります。もし、すでに痛みがある場合は、無理に我慢せずご相談ください!
「たかが靴、されど靴」。毎日身体を支える足のために、今日から「爪に優しい靴習慣」を始めてみませんか?

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