2026.8.29
【冷蔵庫の下段から物を取ると腰がつらい】腰だけを曲げないしゃがみ方と立ち方
冷蔵庫の野菜室や一番下の棚から物を取ったとき、「腰にズキッときた」「立ち上がる瞬間がつらい」と感じることはありませんか?
冷蔵庫の下段は位置が低いため、つい膝を伸ばしたまま上半身だけを前へ倒して手を伸ばしがちです。
軽い物を一度取る程度なら気にならなくても、重いペットボトルや鍋、野菜などを持ち上げる動作が加わると、腰への負担を感じることがあります。
今回は、冷蔵庫の下段から物を取るときの体の使い方を見直してみましょう。

冷蔵庫の扉を開け、その場に立ったまま下段へ手を伸ばす。
何気ない動作ですが、このとき膝がほとんど曲がらず、腰から上だけが大きく前へ倒れていることがあります。
NIOSH(米国国立労働安全衛生研究所)は、人間工学上のリスクとして、深く前かがみになるなどの不自然な姿勢を挙げています。こうした姿勢では筋肉や関節などにより大きな負担がかかる可能性があります。
特に物が奥にあると、「あと少しだから」と腕だけを伸ばし、さらに上半身を前へ倒しがちです。
まずは、腰を曲げて物のところまで行くのではなく、自分の体を物へ近づけることから意識してみましょう。

「腰を守るなら、背筋を完全に伸ばして深くスクワットするように取ればいい」と思うかもしれません。
しかし、毎回そこまで深くしゃがむ必要はありません。
英国安全衛生庁(HSE)は物を持ち上げる際、腰だけを大きく曲げる姿勢だけでなく、反対に股関節と膝を完全に曲げた深いしゃがみ込みも避け、背中・股関節・膝を適度に曲げる方法を示しています。
冷蔵庫の前まで一歩近づいたら、
膝と股関節を軽く曲げる
↓
お尻を少し後ろへ引く
↓
必要な高さまで体全体を下げる
という流れを意識してみましょう。
腰だけを折り曲げるのではなく、膝・股関節・腰へ動きを分散させるイメージです。

下段から物を持ち上げるときには、その物と自分の体との距離もポイントです。
例えば2リットルのペットボトルを腕を伸ばした状態で持ち上げるのと、体の近くまで引き寄せてから持ち上げるのでは、体の使い方が変わります。
HSEでも、物を持ち上げる際は可能な限り荷物を腰や体の近くに保つことが推奨されています。
冷蔵庫の奥にある物なら、無理に遠くから持ち上げず、一度手前へ移動させてから持つ方法もあります。
特に飲料や大きな容器など重量のある物ほど、
「つかむ → そのまま遠くで持ち上げる」
のではなく、
「手前へ寄せる → 体の近くで持つ → 立ち上がる」
という順番にしてみましょう。

物を持てたところで安心して、最後に上半身だけを勢いよく起こしてしまうことがあります。
しゃがんだ姿勢から戻るときは、足の裏を床につけた状態から、膝と股関節を伸ばしながら体全体を起こしていきます。
また、冷蔵庫の横に置きたい物がある場合も、腰をひねったまま移動させるのではなく、足を動かして体ごと置く方向へ向くほうが自然です。
NHS系医療機関の腰痛に関する案内でも、物を持つ際には荷物を体の近くに保ち、腰をひねるのではなく足を使って向きを変えることが勧められています。
冷蔵庫から取り出した牛乳を横の調理台へ置くような場面でも、「腰だけをひねってポンと置く」が習慣になっていないか確認してみましょう。

毎日取り出す2リットルの飲料や大きな容器が、いつも冷蔵庫の一番低い位置にある。
そんな場合は、体の使い方だけではなく収納方法そのものを見直す方法もあります。
HSEの人間工学に関する資料でも、物を扱う際の負担を減らす対策として、過度に手を伸ばさずに済む位置へ物を配置することが示されています。
冷蔵庫の構造上可能であれば、頻繁に使う物や比較的重い物を取りやすい場所へ移動させるのも一つの工夫です。
一方で、
- 腰の痛みが強くなっている
- 痛みがなかなか改善しない
- 足にしびれや力の入りにくさがある
- 転倒などをきっかけに強く痛み始めた
- 発熱など腰痛以外の症状もある
といった場合は、単に「冷蔵庫から物を取る姿勢が悪かった」と決めつけないことも大切です。
腰痛にはさまざまな原因があり、NHSでも症状によっては医療機関への相談が必要とされています。
冷蔵庫の下段から物を取る動作は、ほんの数秒です。
それでも毎日繰り返す動作だからこそ、**「腰から取りに行く」のではなく、「体を近づけて、膝と股関節も使って高さを合わせる」**ことを意識してみてください。
重い物なら、さらに体の近くへ寄せてから立ち上がる。
そんな小さな動作の見直しが、腰への負担を減らす第一歩になります。
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